トマトのホール缶に限らず、あらゆる安いものには一定の警戒が必要です。
トマト缶の黒い真実、という本がありますが、
何ともやり切れない現実。

その本のレビューを、いくつか紹介します。
中国・新彊ウイグルの生産地で収穫されたトマトが世界中に輸出されている。特にアフリカやヨーロッパで消費されるトマト。中国の軍や、イタリアのマフィアが関わりながら。
資本主義の行き着くところ、人間の欲望の行き着くところのディストピア。3倍濃縮のトマトを水で薄めて、大量の添加物を加えて、2倍濃縮のトマト缶として売り出す。南イタリアのイメージを添えて。実際には、トマト缶の中身の60%は添加されたトマト以外の物質で、トマトは中国で生産、加工されているにも関わらず。
酸化して真っ黒になった濃縮トマト、異様な匂いのする濃縮トマトが、添加物によって赤い濃縮トマトに蘇って、そして流通していく。
この濃縮トマトの缶詰は氷山の一角で養殖ウナギやミルクパウダー、有害物質の検知でなんども問題になる食の安全を崩壊させる中国だが、決して中国そのものが悪いのではない。コスト重視、販売拡充、利益追従、安く売れればなんでもいい、そして安けりゃ安いほどいいという需要と供給が完全一致した市場が人権無視、安全無視の商品を生み出してる社会そのものが諸悪の根源。
この本は最後に原料31%、添加物69%の中国加工業者を暴いたが、なにも中国に限ったことじゃない。日本でも産地偽造、賞味期限改ざん、破棄物再利用を当たり前にやっている業者などゴマンといる。そして安く買いたたく商社、安物買いの消費者がいる。
トマト加工品と言うと、八百屋で売られる赤く丸く瑞々しい姿を思い浮かべるが、実際に使用されるのは加工に適した特徴を持つ遺伝子工学研究の末に人工的に生み出された「加工用トマト」。細長く堅く、水分を飛ばす作業を減らすために水分が少なく重くて実が詰まっている。収穫後にトラック輸送したり加工機械に入れても潰れない様に皮は分厚く堅く丈夫に作られている。
世界に流通している加工用トマトの輸出国は、中国、イタリア、アメリカで大半を占めている。
中国では新疆ウイグル地区にある巨大なトマト畑でトマトの収穫が行われる。
ウイグル地区は、石油、石炭、天然ガス、石炭、ウラン、金といった天然資源を持つため、歴史的に中国やロシアの支配下に置かれたり、ほんの短期間独立したりしながら、現在では「新疆ウイグル自治区」として中国に併合されている。
ウイグル自治区では、中国の兵団が管理するトマト畑で収穫し、加工工場で缶に詰め、その工場を動かすための天然資源も採掘できる。
うーん、僕自身はトマト缶は買ったことがありませんが、
トマト缶に限らず、安すぎる商品には、それなりの裏があるのかもしれません。
しかし、節約を余儀なくされる貧困世帯は、価格の誘惑には勝てない人も多く、
結局そうして吸い上げられた利益が、悪い奴を潤していくという矛盾。
金を儲けたやつが勝ち、という社会は、歪を生みやすいですね。
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