時間を取り戻すには、まず独りになることが必要

今日は少し長くなりますが、五木寛之の「林住期」から、今の人生を考えてみたいと思いました。

古代インドにおける考え方

古代インドでは人生を4つの時期に区切るという。
 「学生期」(がくしょうき)
 「家住期」(かじゅうき)
 「林住期」(りんじゅうき)
 「遊行期」(ゆぎょうき)

 日本では初老とか老年と呼び、なんとなく暗い。
 近づいてくる死を待てというのだろうか。

 吉田兼好は次のように言った。
「死は前よりもきたらず」
 つまり、死は、前方から徐々に近づいてくるのではなく、

「かねてうしろに迫れり」
 背後からぽんと肩をたたかれ、不意に訪れるものだ。

 インドでは、「学生期」で学び、
       「家住期」働き、家庭をつくり、子供を育てたあとに、

 人生のクライマックス「林住期」を迎える。

 人はみな生きるために働いている。
 でも、よく考えてみれば、生きることが目的で、働くことは手段であるはずだ。
 ところが、働き蜂の日本人は、働くことが目的となって、よりよく生きていない。

 家庭をつくり、子供を育て上げた後は、せめて好きな仕事をして生涯を終えたい。
 一度、リセットしてみたらどうであろうか。

人生80年。
 もっと、長生きになるかもしれない。

 と、すると

 「学生期」(がくしょうき) 0~24歳
 「家住期」(かじゅうき)  25~49歳
 「林住期」(りんじゅうき) 50~74歳
 「遊行期」(ゆぎょうき)  75~90歳

 人は生きるためにもエネルギーが必要だが、
 死ぬときもエネルギーが必要なのかもしれない。
 だからといって、生涯をなすべきこともなく、雑事に追われながら死にたくはないものだ。

 自分が本当にやりたかったことは何なのか問いかける時期が、だいたいこの林住期(りんじゅうき)にさしかかる人だと言われている。

 それまでは、あまりの忙しさに考える余裕もなかったに違いない。
 林住期にさしかかった人は、生活の足しにならないようなことを真剣に考えてみるのも悪くない。

 林住期は、時間を取りもどす季節だ。
 林住期は、人生におけるジャンプであり、離陸の季節でもある。
 これまで、たくわえてきた体力、気力、経験、キャリア、能力、センスなど自分が磨いてきたものを土台にしてジャンプすることをお勧めする。

林住期に生きる人間は、まず独りになることが必要だ。
 人脈、地脈を徐々に簡素化していこう。
 人生に必要なものは、じつは驚くほど少ない。
(五木寛之の「林住期」より)

50代の僕は、まさにその林住期

「林住期は、時間を取りもどす季節だ」というのが、まさに僕に当てはまっています。会社員時代は、生きるため、生活するために、やりたくもないこともやり、笑いたくもないところで笑い、合わせたくもない会話に合わせたりもしていました。大人の対応、というやつです。

しかし、今、会社組織という束縛から離れてみると、会社員時代は本質的ではなかったと改めて思います。ある程度は、自分というものを出すことができましたが、「場をわきまえ、空気を読む」という縛りからは、自由ではありませんでした。

もちろん会社員時代が無駄であったとは思っていません。長い通勤時間や、精神的にも物理的にも束縛の多い不自由な生活は、やはり経験しておいたほうが良いと思います。ただその時期が長すぎたり、あまりにも自分でものを考えることから遠ざかってしまうと、不自由なはずの会社員生活を辞めた後に、「こんなはずではなかった」と思う人も出てくるでしょう。

つらいとき、苦しいときというのは、そこから自由になりたい、逃れたいという気持ちが強いため、それ以外のことは小さく見えます。しかしそうした人が、いざ自由を手に入れてみると、その自由は、同時に、別な苦しみを与えることにもなりかねません。

人間とは、ことほど左様に厄介なものでもあるのです。

しかし同時に、ものは考えようで、宇宙に一つであるはずの自分も、世界に一つだけの花である自分も、無数の人間の一人であるがゆえに、かつても、そして今も、自分と同じようなことで悩んだり苦しんでいた人はいたし、今もまたいます。

ですから、自分にとって参考になる考え方を探し出し、そこに解を求めることが可能です。

まずは生きることの前提として、おひとり様であろうが家族があろうが、「一人であることに強くあるべき」です。一人である、とは、精神的なことだけではありません。経済的自立も含みます。

およそ人は、早晩、死ぬ運命にあり、その頸木からは逃れられません。それならば、死ぬまでの時間が全てです。その時間をいかに生きるかが、またすべてでもあります。

自分を偽らずに、生きていきたいものです。

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