母も高齢であり、僕も通常であれば、来年が定年退職の年です。2年前に、介護離職したため、60歳よりも早いリタイアとなりましたが、ちょうど仕事に疲れ果てていたときだっただけに、僕にとっては、ありがたいリタイアでもありました。
父の介護を終え、今は、母を介助しながらの生活です。まだ、母一人で、日常生活を送れるので、年に一度ほど、数日間の一人旅をさせてもらっています。
それが、先週行った4日間の北海道旅行だったのですが、その間に母が少し体調を崩したようで、僕が帰ったときには、寝込んでいました。
死を意識することができるのも、一人旅の良いところ
母を連れての一泊旅行であれば、問題はないのですが、僕一人で、母を置いて少し長めの旅に出るときには、母は、僕の死を心配します。
これは、母の立場になればわかることで、息子が旅先で死んだら、一人残される自分はどうなるのだろう、という心配は無理からぬことです。
そのため、僕は旅に行く前に、母にすべてのお金の情報を伝えます。預金通帳と、株の口座ですね。母が所有しているのは、母の年金が振り込まれる東和銀行だけなので、それ以外のお金の情報を紙に書いて渡しておくのです。
そして、僕に何かあったら、これをAさんに渡して対応してもらうように、と言ってあります。母も、Aさんを信頼しているので、それで、母も安心するわけです。僕も、Aさんにお願いすれば大丈夫だという確信があるのですね。
しかしこのことは、当のAさんはあずかり知らぬことで、仮に僕が死に、母にそんな紙切れを渡されても、困るかもしれません。しかし、Aさんであれば、その紙に書いてある情報をもとに、最善の対応をしてもらえると、僕も母も勝手に思ってるわけです。
まあ、これは僕が死んだ後の、本来の順序とは逆に、僕が先に死んだときの対応なので、万に一つも起こり得ぬことではあるのですが、そのように死を意識することができるのも、一人旅の良いところだと思っています。