なぜ、あれほど、不安だったのか。
なぜ、あれほど、焦っていたのか。
そして、なぜ、あれほど孤独だったのか。
今となっては、おぼろげな記憶、しかありません。
とにかく、彷徨っていました。
彷徨い、さすらっていました。
一つ所に、落ち着いていられなかったのは、どの場所にいても、どこにいても、絶えず、閉塞感を覚えていたからです。
ここは、自分のいる場所じゃない、と。
ここではないどこか、を、いつも、求めていました。
漂泊。

漂泊の詩人、ならば、多少かっこもいいのですが、僕の場合は、漂泊の無職。
だから35の年まで、定職に就けなかったのです。
いやあ、形だけの定職はありましたよ、腰掛け程度の、ね。
でも、心は常に不安でいっぱいでした。
その、漠とした不安の日々。
呼吸困難の日々。
どうしてみんな、平気な顔をして生きていられるのかが、不思議で仕方がありませんでした。
まあ、そんな日々が、今では懐かしくもあり、愛おしくもあります。
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