税を意識させない愚民政策

タックス・イーターという本があります。

『タックス・ヘイブン』の続編 ですが、紹介文には、こうあります。

国民の税金を食い荒らし、富を奪い取る者は誰だ。政治と経済に隠然たる力を及ぼし、法を逆手にとりながら、文明の対価であるべき税を掠めてゆく。財政の屋台骨をも揺るがし、国を存立の危機に追い込む悪行を見過ごしてよいのか。その不正と複雑なからくりを解明し、日本の暗部に切り込む。

アマゾンの書評でも、かなり良い評価の星印ですが、そのアマゾン自身も、批判対象であるのは皮肉な話。

まあ、それは置いておいて、 儲けてる企業が、ほとんど税金を払ってない という事実を、あからさまにしています。

(スターバックスやアップルだけでなく)最近の国際的租税回避で話題になる企業には、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどの名前も挙がる。全世界で巨額の収益を上げているこうした多国籍企業は、各国で事業を展開しながらも税を払わず、各国が提供する公共サービスにタダ乗りをしている。その意味において、タックス・イーター以外の何ものでもない。しかも、その金額がケタ違いに大きいことを考えれば、「究極のタックス・イーター」と呼ぶべきであろう。

悲しいかな、税金において、一番の弱者は、サラリーマン。

僕も、今は、リタイアの身ですが、 サラリーマンはガラス張りの家に住んでいると感じていました。

タックス・イーター からの引用をさらに続けましょう。

「鉄のトライアングル」……族議員にとっては自らの権勢と私利私欲、そして支持者への利益誘導が、各省の官僚にとっては国益よりも省益、さらにいえば局益と自らのキャリアパスが、関連業界にとっては収益が優先していたのである。 

保険金の支払いが遠い将来であるのをよいことに、社会保険庁は無駄な施設の建設やその他の無用な事業に資金を注ぎ込み、みずからの天下り先を造り続けていた。年金福祉事業団がその筆頭である。厚生官僚は国を衰亡の危機に追い込む大罪を犯した、きわめて悪質なタックス・イーターであった。

現在の官僚組織には、有権者・納税者に対する情報提供という視点がまったく欠如している。公会計にかかわる情報は、官僚たちの都合の良いように選別され、自分たちの望む方向へ議論を誘導するためだけに開示されている。また、情報化開示されたとしても、市民が見ても何のことだかさっぱりわからないように操作されている。

サラリーマンは源泉徴収で勝手に税金が引かれて、年末調整するだけです。

つまり、まさに愚民政策の餌食になっているのですね。

筆者が旧大蔵省の主税局に在勤中のことである。ある中堅局員が、給与所得者における源泉徴収制度と年末調整の組み合わせについて「愚民政策である」と言っているのを耳にした。”民はこれに由らしむべし。知らしむべからず”とは孔子の教えである。

うーん、孔子の教えも、いいように利用されていますね。

だから僕は、老子のほうが好きなんですよ。

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