宝くじは愚か者の税金を地で行く夫婦

世の中には、漫画のような話があるものです。

今朝見たネット記事で、

そんな夫婦の話を見ました。

夫の再就職は難航を極めた。当時我が家は、家を購入したばかり。サラリーマン時代の給料とボーナスを当てにして組んだ高額な住宅ローンを払い続けなければならなかった。まだ幼い子どもの教育費もこれから増える一方だ。どんどん減る貯金の残高に、焦りは募った。

さらに我が家の家計に追い討ちをかける事件が起きる。私のパート先が業績悪化でリストラを敢行。幸い私はリストラ対象からはずれたものの、人が減ったしわ寄せで子育てと家事に支障が出るほど仕事が激増した。このままでは働き続けられない。

でも、わずかばかりの私のパート収入もなくなったら……。そんなことを考えながら、パート先を出て宝くじ売り場に目をやると、年末ジャンボ宝くじの予告ポスターが目に留まった。

これだ! 私たちには、これしかない。家に帰るなり、夫に宝くじを買おうと持ちかけた。「残り少ない貯金残高。ここは一発勝負! 人生かけてみようじゃないの!」と。乗り気でなかった夫を説き伏せ、高額当選がたくさん出ている売り場で宝くじを買うことにした。私には心当たりがあった。毎年、宝くじ発売日にテレビで紹介される大阪の特設売り場だ。

清水の舞台から100回くらい飛び降りる気持ちで、購入枚数は300枚、9万円分に決定。年末ジャンボ宝くじ発売日、当時の私たちにとっては大金の9万円を携えて片道2時間、大阪へと向かった。気分はすでに億万長者。お金さえあれば、今の不安定な状況から脱却できる。パートを辞める踏ん切りもつけられる――。

さすがは、高額当選が出ることで有名な売り場。開店前に着くよう朝一番で向かったにもかかわらず、すでに長蛇の列ができていた。順番が近づくにつれ、動悸が激しくなる。これまでは一度に10枚程度しか買ったことのない宝くじを、300枚だ。9万円もの大枚をはたくのだ。お金を支払う手も、くじを受け取る手もブルブル震えていたように思う。

大切なくじをカバンの一番下にしまった私たちは、電車のなかでスリに遭わないよう、周囲にとげとげしい視線を送りながら帰途についた。

そしていよいよ、待ちに待った当選番号発表の日。新聞を待ってなんていられない。私たちは、最寄りの宝くじ売り場に駆け込み、機械で当たりくじとはずれくじを確認してもらった。あまりの枚数の多さに、後ろに並ぶ人たちの好奇の視線を感じつつ……。

結局、私たちの手元に戻ってきたお金は、たったの9000円。宝くじは、10枚に1枚は必ず当たる仕組みになっているのだから、300枚の10分の1×300円=9000円は、私たちが手にすることができる最低額だ。8万1000円と交通費が財布から飛んでいき、家計はますます厳しくなった。

うーん、泣きっ面に蜂とは、このこと。

でもその蜂も、

自分たちで呼び込んだんですよね。

どんな状況になっても、

地道が一番。

足ることを知っていれば、

困ることはありません。

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