アルバイトの退職においてすら、日本ではなかなか本音が言えない

僕が11年間勤めていたビジネスホテルでの退職理由が、親の介護。

これは事実であり、さらに言えば、非常に説得力のある理由。

いいタイミングで、もう仕事を辞めてえ、と、思っていた僕に訪れた介護。

介護は、それなりに大変ではありましたが、おそらく、僕は、そんなに介護の大変さは感じませんでした。

それは、父が、人間ができた人だったから、だと思います。

本当に不平不満を言わず、黙々と現状を受け入れる人でしたから、僕も、介護しやすかったのです。

最後は、自宅で看取りましたから、父にとってもそれは幸せなことだと思います。

何と言っても、自宅で死ぬのが一番ですからね。

で、今日は介護の話ではなくて、仕事を辞めるときの口実について。

介護離職という申し分のない退職理由の後、介護をし、父を自宅で見送り、その2年後に、母を見送った僕ですが、その後すぐにアルバイトについたのですよ。

そして、2年ほど働いて、辞めたのですが、正社員ではないたかがアルバイトの退職においてすら、日本ではなかなか本音が言えないのです。

それはどういうことかというと、僕の本音は、もうこんな仕事をやっている場合ではなくて、

内省的な生活を送りたい、これが第一の理由。

第二の理由は、冷房もない過酷な環境で、夏の暑さを乗り切る自信がない、というもの。

第三の理由が、親戚の介護の手伝い。

で、この第三の理由を、メインの理由に格上げして、上司に相談し、退職となったのですよ。

アルバイトですら、辞めるときには、それなりに説得力のある退職理由を考えざるを得ない雰囲気でしたからねえ。 

自分を見つめたいから、内省的な生活に入りたいから、では、何それ、と聞かれて、めんどくさいことこの上ない。

僕は、うっとうしいのが何より苦手ですから、三番目の理由で押し通して退職、となったわけですね。

まあ、そういうことなら仕方がない、と、30代の上司は認めてくれたのですが、厄介だったのは60代の同僚。

なんで親戚の介護までしなくちゃなんねえんだとか、何とか、絡んできましたけど、そこは適当にけむに巻いておきましたよ。

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