すべての価格は価値を追い続けていきます。それは、株価も例外ではありません。そのため、すべての株価は、長い目で見ればその企業の本来の価値価格へと近づいていきます。
ただ、その時間は、誰にもわかりません。そのため、たとえ良い企業の株を持っていたとしても、すぐさま値が上がるわけではありません。そこには、時間に耐える、ということが必要になってきます。
コインの裏表の法則に見る「平均への回帰」
10円玉でも100円玉でもいいので、10回ほど投げ上げて、落ちてきたときに表が出る確率はどのくらいでしょうか。8回表が出て、裏が2回、あるいは、10回すべてが表で、裏がゼロ、などということもあるでしょう。
しかしこれを1000回、2000回と繰り返していくと、表の出る確率は限りなく50パーセントに近づいていきます。これが、統計学で言う「平均への回帰」です。
株価における平均への回帰
株価において、この「平均への回帰」にあたるものが、その企業の本当の価値への株価の回帰なのだと、僕は思っています。
コイン投げのように、回数が少ないときは、全部表が出ることもあるでしょう。しかし回数を重ねるほど平均へと回帰していくように、株価もまた、時間の経過とともに本来の企業価値に相応する価格へと調整されていくはずです。
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企業の価値は固定したものではないが
コインという安定した形を持つものであれば、統計学の「平均への回帰」が通用します。そして株価においても、時間の経過とともに本来の企業価値に相応する価格へと調整されていくことは、大筋においては正しいと言えます。
ただ、その企業自体も変化する生き物のような存在であることには、留意する必要があります。今現在良い企業であっても、5年後も良い企業である保証はどこにもありません。
株価が企業本来の価値に見合ったものへと調整されて行くことは間違いありませんが、同時にその企業自体も、価値が固定したものではないという視点だけは常に持っておかなければならないでしょう。
ただ、企業の価値は固定したものではありませんが、同時に、ある程度の安定性もあります。
株価は5分で変わりますが、良い企業の価値はそう簡単には変わりません。