上場ゴールによる損害は一般投資家が負う

「業績見通しを上場後に下方修正する」という行為によっていちばん被害をこうむるのは、言うまでもなく一般の個人投資家です。なぜなら、個人投資家が判断材料として参考にできるものの一つが「公開されている業績見通し」だからです。

公開前に示していた業績見通しを上場後に下方修正することは、投資家を欺く行為だと言われても仕方がありません。上場したいがために、実際の事業内容以上に数字を良く見せようとする行為は、明らかな「粉飾」です。

実体とはかけ離れた業績を示されて、それを鵜呑みにした個人投資家に、自己責任を問うのは、如何なものかと思います。

情報開示の公平性が担保されなければ、個人投資家は常に不利な立場に立たされていると言わざるを得ません。

主幹事証券と担当の監査法人の責任

証券会社にも監査法人にも、本来ならば「資本市場と投資家を守る責任」があります。一方で、彼らからしてみれば、株式を公開させる企業は同時に手数料をくれる顧客でもあるわけです。

本来の姿に立ち返るならば、公開企業は「資本市場を使うことで資金調達という大きな利益」を得ます。また、証券会社も監査法人も「投資家が信用する資本市場を維持してこそ商売が成り立つ」わけです。

しかし、往々にして、本来の定義はおろそかにされ、「目先の利益である手数料を払ってくれる企業を優先している」ように見えるのは僕だけでしょうか。

上場ゴール問題の深刻さ

この問題が深刻なのは、投資家が損をする公開が増えれば、巡り巡って株式市場全体の信用低下につながるということです。信用低下の最大の弊害は、「誰もマーケットに参加しなくなる」という一語に尽きます。

個人投資家ができることは限られているが

上場ゴールの会社の株を高値でつかまされないために、個人投資家ができることは何でしょう? それを、簡潔に示したいと思います。

一つは、「目論見書の精読」です。目論見書には、発行者名や事業内容、資本構成、財務諸表などが記されています。投資判断の基準となる重要な情報を提供しているので、まずはそれをじっくりと読むことです。

さらに、「経営陣の経歴も重要」です。どのような経歴であるかは、ある程度ですが、経営陣の資質を推し量る判断材料にはなるでしょう。

もう一つ、見過ごしてはいけないことがあります。それは、「ベンチャーキャピタルが大株主として記載されているかどうかの確認」です。ベンチャーキャピタルとは、ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う投資会社(投資ファンド)のことです。

ベンチャーキャピタルが大株主として記載されている場合は、経営者の裁量権が小さくなっていることが考えられます。つまり、まともな経営ができなくなっているということです。

ベンチャーキャピタルの目的は、「IPOによって保有株式を売却して投下資本の回収を行う」ことなので、その後の企業業績などには関心がないのです。

簡潔にまとめると、次のようになります。

個人投資家ができることとしては、「目論見書の精読」「経営陣の経歴も判断材料とする」「ベンチャーキャピタルが大株主として記載されているかどうかの確認」の三つです。

これらを参考にして、「あなたが上場ゴールの会社の犠牲者にならない」ようにしてもらえれば幸いです。

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